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中空構造と祭祀的王権
支配しない中心としての天皇
日本の王権は、軍事や行政を直接統治する絶対権力にはならなかった。天皇は中心にありながら支配を行わず、祭祀と象徴として存在し続けた。この『空なる中心』の構造は、日本社会全体に中空的な秩序をもたらした。
天武・持統朝において確立した天皇制は、中央集権国家へ向かう可能性を持ちながらも、その方向へ完全には進まなかった。
天皇は法や軍事を通じて世界を直接管理する存在ではなく、穢れを引き受け、祓い、世界の調和を保つ祭祀的中心として位置づけられた。
この王権のあり方は、ヨーロッパの絶対王権やローマ教皇制とも異なる。日本では中心が空白化することで、権力の集中による硬直が回避されてきた。
河合隼雄が指摘した『中空構造』とは、まさにこのように、中心に決定的なロゴスを置かない社会構造を指している。
この空なる中心は、後世においても政治的実権を持たないまま、社会の深層に作用し続けた。
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この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。
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