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大曲詩摩さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-05 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】しまさん

適度な距離感をつくりながら、人と人がゆるやかにつながっていけるといいですね。

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

長崎県・壱岐島出身。京都の大学を経て大阪に8年。落語関連の制作会社で4年半を過ごす。
この時期が、「人生はこれでいいんじゃないか」と思えるほど濃く、現在のご縁のほとんどがそこからつながっている原点となっている。
大阪→壱岐2年→調布→横浜→川崎→茅ヶ崎を経て葉山へ。
「2年に一回くらい引っ越す人が家を建てる実験」として土地を探し、葉山に決めたのは「来るべくして来た感じ」。
家を建てる際に取っ払いたかったのは、「家を建てたら、働き続けなければいけない」「そこにいつづけなければいけない」「そこ以外にあんまり移動はしない」という固定観念。
「ここがあるから動くんですよ」という逆転の発想でシェアハウス「sbaco#888」を開設。
その流れが、ふるさと壱岐での古民家リノベ・コミュニティハウス「八八八(みつばち)」へとつながった。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

人と場の呼吸を感じながら、つないでいく人。

落語の長屋的な「適度な距離感のゆるやかなつながり」を、現代の空間として翻訳する
葉山の「巣箱(sbaco)」と壱岐の「みつばち(八八八)」を両輪に、二拠点・多拠点生活の実験を続ける
頭の中がぐちゃぐちゃになった人の「空気を入れ替える場所」「逃げ場所」をつくる
知恵ではなく「感覚」を受け取り、別の誰かへと手渡す「恩送り」を空間と落語会で実践する

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

2018年、葉山・堀内に「sbaco#888」を開設。3部屋・月8日間プランを基本に、二拠点生活を促すシェアスペースとして運営。
「壱岐ラーニング・ジャーニー」を経て「壱岐YOYO」プロジェクトを推進。祖父母の古民家をリノベして「八八八(みつばち)」を開設・共同運営。
近所のmikan屋で年4回の落語会をプロデュース。場の空気と演者と客を「つなぐ」コーディネーターとして機能。
葉山・壱岐に加え、郡上・雲南など各地をめぐりながら、地域と人をゆるくつなぐコネクター役を担う。
住人が極楽寺に家を建てた、葉山から壱岐に移住する人が出た、壱岐Uターン者が八八八に入ってきた——思い描いたことが次々と形になってきた。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈「ここがあるから動く」という逆転〉

「家を建てたら、働き続けなければいけない」「そこにいつづけなければいけない」「そこ以外にあんまり移動はしない」みたいな固定観念ってあるじゃないですか。そういうものを、全部取っ払いたかったんですよね。「ここがあるから動くんですよ」って。

〈恩送りという手渡し〉

師匠と弟子がいて、師匠から飯の種になる落語をたくさん教えてもらって……三遍稽古を通して口移ししていくんですが、師匠に何かお返ししたいと思う気持ちをそのまま、次の世代の人たちに恩を返していく……恩を受けた人にギブアンドテイクじゃなく、違う人に何かを渡していく。

〈情報じゃなく感覚を受け取る〉

「ここがあれば、どこへでも行ける。」

〈逃げることは弱くない〉

「逃げるって、カッコ悪くない。目の前にハチが現れたら、逃げますよね? そんな感覚で。でも、『逃げるべきじゃない』と思っている人って、多いと思うんですね。かつての私もそうでしたけど」

〈内臓が考えてくれている〉

「頭で考えていても悩んでしまうので、内臓が考えてくれているんだと思って動いている感じですね。」「振り返ったら、(お腹を指しながら)ここで考えるのを無視してただけで、『なんでそんな無視するの?』って怒られてたって感じですね」

〈演者より、客の顔を見ている〉

「条件反射で感動しているお客さんとか、私はそっちを見るほうが好きなんです」

■コア(根底にある思い・願い)

巣箱があるから、みつばちは飛べる。

定住することは終わりじゃなく、

もっと遠くまで動くための、根っこになる。

恩送りとは、師匠から弟子へではなく、

出会った誰かから、まだ出会っていない誰かへと、

感覚として、静かに手渡されていくもの。

逃げることはカッコ悪くない。

ハチが来たら逃げればいい。

そして、逃げてきた人のために、

また別の巣箱を、どこかに建てる。

一言でまとめると:「ここがあれば、どこへでも行ける。」

——「どこにいても、自分でいたい、それは誰であっても。」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

落語の本質——「こういう暮らしのなかの日常が豊かなんだなあ」——を、落語家たちが体で感じていないという矛盾をどう解くか。「先輩との人間関係のことばっかり言ってる」落語家たちに、しまさんの感覚をどう手渡すか。
葉山・壱岐の2拠点をつなぐネットワークは動き始めているが、「逃げ場所」が本当に必要な人——地方の閉塞感の中にいる若者たち——へ、どうやってその場の存在を届けるか。
「引き算すること」を意識するようになった自分が、次にどんな「足し算」をするのか。あるいは、引き算し続けることそのものが、しまさんの表現なのか。

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

大曲詩摩さんという人:「長屋の縁側で、客席の顔を見ている人」

1、「逆さまに設計する人」:「ここがあるから動くんですよ」——この一言に、しまさんの本質がある。家を建てることを「縛られる」ではなく「飛び立つための巣になる」と読み替えた瞬間、sbacoと八八八という2つの場所は、単なる物件ではなく思想になった。逆転の発想は一度きりじゃなく、「引き算すること」「逃げることを肯定すること」「定住を動く力に変えること」——しまさんの選択の至るところに、この「逆さまの設計」が流れている。

2、「感覚を、ほぐす人」:「その情報じゃない、感覚みたいなものを受け取って……」。しまさんが米朝師匠から受け取ったのは知識ではなく、何かもっと体の奥に響くものだった。そして、落語と長屋と現代のシェアハウスをひとつの線でつなぐとき、しまさんは「説明」しない——ただ空間を設計し、場の空気をつくり、あとは内臓に任せる。落語会でも、しまさんは演者を見ない。条件反射で感動しているお客さんの顔を見ている。主役は、いつも場の側にある。

3、「逃げ場所に、名前をつける人」:「逃げるって、カッコ悪くない。目の前にハチが現れたら、逃げますよね?」——この言葉を、しまさんは島根・雲南の高校生たちに届けた。「ここしか帰る場所がない」と感じている人の苦しさを知っているから、「逃げ場所はいろいろあるよ」と伝えたい。巣箱であれ、みつばちであれ、しまさんが設計してきたのは空間だけじゃない。「ここに来てもいい」という許可だ。

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  • 【呼び名】しまさん
  • 適度な距離感をつくりながら、人と人がゆるやかにつながっていけるといいですね。
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 長崎県・壱岐島出身。京都の大学を経て大阪に8年。落語関連の制作会社で4年半を過ごす。
  • - この時期が、「人生はこれでいいんじゃないか」と思えるほど濃く、現在のご縁のほとんどがそこからつながっている原点となっている。
  • - 大阪→壱岐2年→調布→横浜→川崎→茅ヶ崎を経て葉山へ。
  • - 「2年に一回くらい引っ越す人が家を建てる実験」として土地を探し、葉山に決めたのは「来るべくして来た感じ」。
  • - 家を建てる際に取っ払いたかったのは、「家を建てたら、働き続けなければいけない」「そこにいつづけなければいけない」「そこ以外にあんまり移動はしない」という固定観念。
  • - 「ここがあるから動くんですよ」という逆転の発想でシェアハウス「sbaco#888」を開設。
  • - その流れが、ふるさと壱岐での古民家リノベ・コミュニティハウス「八八八(みつばち)」へとつながった。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **人と場の呼吸を感じながら、つないでいく人。**
  • - 落語の長屋的な「適度な距離感のゆるやかなつながり」を、現代の空間として翻訳する
  • - 葉山の「巣箱(sbaco)」と壱岐の「みつばち(八八八)」を両輪に、二拠点・多拠点生活の実験を続ける
  • - 頭の中がぐちゃぐちゃになった人の「空気を入れ替える場所」「逃げ場所」をつくる
  • - 知恵ではなく「感覚」を受け取り、別の誰かへと手渡す「恩送り」を空間と落語会で実践する
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 2018年、葉山・堀内に「sbaco#888」を開設。3部屋・月8日間プランを基本に、二拠点生活を促すシェアスペースとして運営。
  • - 「壱岐ラーニング・ジャーニー」を経て「壱岐YOYO」プロジェクトを推進。祖父母の古民家をリノベして「八八八(みつばち)」を開設・共同運営。
  • - 近所のmikan屋で年4回の落語会をプロデュース。場の空気と演者と客を「つなぐ」コーディネーターとして機能。
  • - 葉山・壱岐に加え、郡上・雲南など各地をめぐりながら、地域と人をゆるくつなぐコネクター役を担う。
  • - 住人が極楽寺に家を建てた、葉山から壱岐に移住する人が出た、壱岐Uターン者が八八八に入ってきた——思い描いたことが次々と形になってきた。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈「ここがあるから動く」という逆転〉
  • 「家を建てたら、働き続けなければいけない」「そこにいつづけなければいけない」「そこ以外にあんまり移動はしない」みたいな固定観念ってあるじゃないですか。そういうものを、全部取っ払いたかったんですよね。「ここがあるから動くんですよ」って。
  • 〈恩送りという手渡し〉
  • 師匠と弟子がいて、師匠から飯の種になる落語をたくさん教えてもらって……三遍稽古を通して口移ししていくんですが、師匠に何かお返ししたいと思う気持ちをそのまま、次の世代の人たちに恩を返していく……恩を受けた人にギブアンドテイクじゃなく、違う人に何かを渡していく。
  • 〈情報じゃなく感覚を受け取る〉
  • **「ここがあれば、どこへでも行ける。」**
  • 〈逃げることは弱くない〉
  • 「逃げるって、カッコ悪くない。目の前にハチが現れたら、逃げますよね? そんな感覚で。でも、『逃げるべきじゃない』と思っている人って、多いと思うんですね。かつての私もそうでしたけど」
  • 〈内臓が考えてくれている〉
  • 「頭で考えていても悩んでしまうので、内臓が考えてくれているんだと思って動いている感じですね。」「振り返ったら、(お腹を指しながら)ここで考えるのを無視してただけで、『なんでそんな無視するの?』って怒られてたって感じですね」
  • 〈演者より、客の顔を見ている〉
  • 「条件反射で感動しているお客さんとか、私はそっちを見るほうが好きなんです」
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • 巣箱があるから、みつばちは飛べる。
  • 定住することは終わりじゃなく、
  • もっと遠くまで動くための、根っこになる。
  • 恩送りとは、師匠から弟子へではなく、
  • 出会った誰かから、まだ出会っていない誰かへと、
  • 感覚として、静かに手渡されていくもの。
  • 逃げることはカッコ悪くない。
  • ハチが来たら逃げればいい。
  • そして、逃げてきた人のために、
  • また別の巣箱を、どこかに建てる。
  • 一言でまとめると:「ここがあれば、どこへでも行ける。」
  • ——「どこにいても、自分でいたい、それは誰であっても。」
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 落語の本質——「こういう暮らしのなかの日常が豊かなんだなあ」——を、落語家たちが体で感じていないという矛盾をどう解くか。「先輩との人間関係のことばっかり言ってる」落語家たちに、しまさんの感覚をどう手渡すか。
  • - 葉山・壱岐の2拠点をつなぐネットワークは動き始めているが、「逃げ場所」が本当に必要な人——地方の閉塞感の中にいる若者たち——へ、どうやってその場の存在を届けるか。
  • - 「引き算すること」を意識するようになった自分が、次にどんな「足し算」をするのか。あるいは、引き算し続けることそのものが、しまさんの表現なのか。
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 大曲詩摩さんという人:「長屋の縁側で、客席の顔を見ている人」
  • 1、「逆さまに設計する人」:「ここがあるから動くんですよ」——この一言に、しまさんの本質がある。家を建てることを「縛られる」ではなく「飛び立つための巣になる」と読み替えた瞬間、sbacoと八八八という2つの場所は、単なる物件ではなく思想になった。逆転の発想は一度きりじゃなく、「引き算すること」「逃げることを肯定すること」「定住を動く力に変えること」——しまさんの選択の至るところに、この「逆さまの設計」が流れている。
  • 2、「感覚を、ほぐす人」:「その情報じゃない、感覚みたいなものを受け取って……」。しまさんが米朝師匠から受け取ったのは知識ではなく、何かもっと体の奥に響くものだった。そして、落語と長屋と現代のシェアハウスをひとつの線でつなぐとき、しまさんは「説明」しない——ただ空間を設計し、場の空気をつくり、あとは内臓に任せる。落語会でも、しまさんは演者を見ない。条件反射で感動しているお客さんの顔を見ている。主役は、いつも場の側にある。
  • 3、「逃げ場所に、名前をつける人」:「逃げるって、カッコ悪くない。目の前にハチが現れたら、逃げますよね?」——この言葉を、しまさんは島根・雲南の高校生たちに届けた。「ここしか帰る場所がない」と感じている人の苦しさを知っているから、「逃げ場所はいろいろあるよ」と伝えたい。巣箱であれ、みつばちであれ、しまさんが設計してきたのは空間だけじゃない。「ここに来てもいい」という許可だ。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

大曲詩摩

project

nowhere HAYAMA100

number

05

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する