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大石美果さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-11 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】美果さん、みかさん

たとえ小さくても、自然に枯れていく、野菜のように生きたいですね。

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

京都・木津川(奈良との境)生まれ。インドア派で、土に触れることとは無縁の前半生を送る。
長男に障害があり、卒業後の働く場を探すなかで伊勢原の「さくらの家福祉農園」に出会い、自閉症の子たちが生き生きと働く姿に感動。
横須賀で母親たちとともに福祉農園「あんしん農園」を立ち上げる。しかし長男が加工作業に向かないと気づき、親子で離れることに。
自ら農業を学ぼうと平塚農高初声分校の社会人聴講生となり、三浦・横須賀の農家で援農しながら農の基礎を体で習得していく。
有機農法で始めた頃、「土のなかのことを何もわかっていなかった」と気づき、自然栽培へとシフト。岡本よりたかさんのセミナーに1年通い、自然栽培の基礎を学ぶ。
農地を求めて各所を当たるなか、葉山・上山口の休耕田(20年荒れたまま)を紹介され、2013年より開墾をスタート。
ユンボと人海戦術で根っこを取り除きながら、少しずつ農地を広げ、「葉山イキ農園」を開設するにいたる。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

土と生きものと息を合わせ、人が集まる場をひらいている人。

葉山・上山口の農地で野菜・米を自然栽培で育てる。
農園に人を招き、農作業・ランチ会・シェフを呼んだ食事会などを開く。
春分の日の海水選から始まる年間農事暦に沿って、田んぼの共同作業を展開する。
JAマルシェに参加し、自然栽培野菜を地域に届ける。
失敗と学びを繰り返しながら、土の知恵を体で積み上げていく。

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

2013年、葉山・上山口の20年荒れた休耕田をユンボと手作業で開墾し、葉山イキ農園を開設。
平塚農高初声分校の社会人聴講生として農の基礎を学び、三浦・横須賀の農家で援農を重ねる。
岡本よりたかさんのセミナーに1年通い自然栽培を体得。菌ちゃん農法も取り入れ実践に活かす。
JAに入会し月2回のマルシェに参加、上山口「さんじ(3pm)」への野菜卸しなど地域流通を開拓。
農園に小屋を建て、焚き火イベント・ランチ会・農園食事会を継続的に開催。
春分の日の海水選を起点とする年間農事暦で田んぼの共同作業を展開。
HFC(葉山の森保全センター)に入会し、小屋の移動など地域の人々との協働を積み重ねる。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈「腐らないで、枯れるっていうんですね」〉

よりたかさんの講演で聞いた言葉——肥料を入れた野菜は放っておいたら腐る、自然栽培の野菜は枯れる。「私も腐っていくのではなく、枯れていきたいなと思って。そのことがすごく腹に落ちた感じがして」。この一言が、農への向き合い方を超えて、みかさんの生き方そのものの核心になった。

〈「毎年、一年生かい」〉

玉ねぎが草に負けて大失敗した年の話。「もうこれはつくれないな」という諦めと、「またやりたいなって思いますね」という次への向き直り。自分にツッコミを入れながら、失敗を失敗のまま受け取って続けていく。

〈「私自身が土のなかのことを何もわかってなかった」〉

リアル・ハロウィンの体験。完熟していない有機物を入れて虫が一斉に飛んできた。責めるでも嘆くでもなく、「だから、こういう体験をしたんだなって思ったんです」と、土からの教えとして静かに受け取る。

〈「それまでわりと暗い性格だったんですよ」〉

毎日畑に出るようになって元気になり、根っこをFacebookに投稿したら仲間が集まってきた。「農作業してたら自然に仲良くなれるし」——土が人を、人が人を、引き寄せていく変容の起点。

〈「息をするのイキ、土のなかの微生物も、虫も、みんな息をしているし」〉

農園名の由来を語る場面。息・生きる・息を合わせる・一息つく——「いろんな使い方がありますよね」という言葉に、みかさんの農への眼差しが凝縮されている。

■コア(根底にある思い・願い)

肥料を入れると、野菜は大きくなる。

でも、放っておくから、枯れる。

自然栽培の野菜は、

小さくて、実がキュッと詰まって、静かに枯れていく。

毎年一年生。

失敗しても、次の春がある。

根っこを掘り出して燃やしたら、みんなが集まってきた。

土に触れたら、暗かった自分が、なぜか元気になった。

だから、答えは、土が教えてくれた。

肥大せず、実を詰めて、静かに枯れていく。

——土が、そう教えてくれた。

一言でまとめると:

「小さくても、腐らず枯れていく。それが私の、自然な生き方」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

「農家」として認定されにくい制度の壁を、どう越えていくか?
自然栽培で農地を守ろうとする人が農業参入できない、この矛盾をどう打開するか?
活動を持続・発展させるための仕組み(農事法人の設立など)を、どう形にしていくか?
生産性優先の視線との摩擦を、慣行農家と共存しながらどう乗り越えるか?
小さく実が詰まって枯れていく野菜の価値を、説得ではなく、どう伝えていくか?

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

大石美果さんという人:「土に枯れ方を教わった人」

①「引き寄せられた人」:みかさんは農を選んだというより、農に引き寄せられた。長男のためだったはずが「自分が面白くなっちゃって」、有機農法のつもりがリアル・ハロウィンで自然栽培へ、市民農園は性に合わないから農地しかないと思い込んで——気づいたら上山口の荒れた休耕田の前に立っていた。意志というより、引力。みかさんの歩みには、そういう必然のような流れがある。

②「失敗を土に返せる人」:玉ねぎが全滅しても「毎年、一年生かい」と自分にツッコミを入れる。虫が顔に飛んできても「土のことを何もわかってなかった」と静かに受け取る。失敗を嘆かず、責めず、ただ土に返して次の春を待てる人。それはある種の強さだけれど、みかさん本人はそれを強さとは呼ばない。ただ、そうするのが自然だから、そうしているように見える。

③「集まってくる場をつくれる人」:根っこをFacebookに投稿したら仲間が来た。焚き火でお餅を焼いたらランチ会が始まった。小屋を移動するとなったら筋肉モリモリの人が集まってきた。みかさんが意図して人を集めたわけではない。ただ土を耕していたら、人がついてきた。「もともと人が苦手だったんですが、農作業してたら自然に仲良くなれる」——土が媒介になることで、みかさんの場には不思議な引力が生まれる。

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  • 【呼び名】美果さん、みかさん
  • たとえ小さくても、自然に枯れていく、野菜のように生きたいですね。
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 京都・木津川(奈良との境)生まれ。インドア派で、土に触れることとは無縁の前半生を送る。
  • - 長男に障害があり、卒業後の働く場を探すなかで伊勢原の「さくらの家福祉農園」に出会い、自閉症の子たちが生き生きと働く姿に感動。
  • - 横須賀で母親たちとともに福祉農園「あんしん農園」を立ち上げる。しかし長男が加工作業に向かないと気づき、親子で離れることに。
  • - 自ら農業を学ぼうと平塚農高初声分校の社会人聴講生となり、三浦・横須賀の農家で援農しながら農の基礎を体で習得していく。
  • - 有機農法で始めた頃、「土のなかのことを何もわかっていなかった」と気づき、自然栽培へとシフト。岡本よりたかさんのセミナーに1年通い、自然栽培の基礎を学ぶ。
  • - 農地を求めて各所を当たるなか、葉山・上山口の休耕田(20年荒れたまま)を紹介され、2013年より開墾をスタート。
  • - ユンボと人海戦術で根っこを取り除きながら、少しずつ農地を広げ、「葉山イキ農園」を開設するにいたる。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **土と生きものと息を合わせ、人が集まる場をひらいている人。**
  • - 葉山・上山口の農地で野菜・米を自然栽培で育てる。
  • - 農園に人を招き、農作業・ランチ会・シェフを呼んだ食事会などを開く。
  • - 春分の日の海水選から始まる年間農事暦に沿って、田んぼの共同作業を展開する。
  • - JAマルシェに参加し、自然栽培野菜を地域に届ける。
  • - 失敗と学びを繰り返しながら、土の知恵を体で積み上げていく。
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 2013年、葉山・上山口の20年荒れた休耕田をユンボと手作業で開墾し、葉山イキ農園を開設。
  • - 平塚農高初声分校の社会人聴講生として農の基礎を学び、三浦・横須賀の農家で援農を重ねる。
  • - 岡本よりたかさんのセミナーに1年通い自然栽培を体得。菌ちゃん農法も取り入れ実践に活かす。
  • - JAに入会し月2回のマルシェに参加、上山口「さんじ(3pm)」への野菜卸しなど地域流通を開拓。
  • - 農園に小屋を建て、焚き火イベント・ランチ会・農園食事会を継続的に開催。
  • - 春分の日の海水選を起点とする年間農事暦で田んぼの共同作業を展開。
  • - HFC(葉山の森保全センター)に入会し、小屋の移動など地域の人々との協働を積み重ねる。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈「腐らないで、枯れるっていうんですね」〉
  • よりたかさんの講演で聞いた言葉——肥料を入れた野菜は放っておいたら腐る、自然栽培の野菜は枯れる。「私も腐っていくのではなく、枯れていきたいなと思って。そのことがすごく腹に落ちた感じがして」。この一言が、農への向き合い方を超えて、みかさんの生き方そのものの核心になった。
  • 〈「毎年、一年生かい」〉
  • 玉ねぎが草に負けて大失敗した年の話。「もうこれはつくれないな」という諦めと、「またやりたいなって思いますね」という次への向き直り。自分にツッコミを入れながら、失敗を失敗のまま受け取って続けていく。
  • 〈「私自身が土のなかのことを何もわかってなかった」〉
  • リアル・ハロウィンの体験。完熟していない有機物を入れて虫が一斉に飛んできた。責めるでも嘆くでもなく、「だから、こういう体験をしたんだなって思ったんです」と、土からの教えとして静かに受け取る。
  • 〈「それまでわりと暗い性格だったんですよ」〉
  • 毎日畑に出るようになって元気になり、根っこをFacebookに投稿したら仲間が集まってきた。「農作業してたら自然に仲良くなれるし」——土が人を、人が人を、引き寄せていく変容の起点。
  • 〈「息をするのイキ、土のなかの微生物も、虫も、みんな息をしているし」〉
  • 農園名の由来を語る場面。息・生きる・息を合わせる・一息つく——「いろんな使い方がありますよね」という言葉に、みかさんの農への眼差しが凝縮されている。
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • 肥料を入れると、野菜は大きくなる。
  • でも、放っておくから、枯れる。
  • 自然栽培の野菜は、
  • 小さくて、実がキュッと詰まって、静かに枯れていく。
  • 毎年一年生。
  • 失敗しても、次の春がある。
  • 根っこを掘り出して燃やしたら、みんなが集まってきた。
  • 土に触れたら、暗かった自分が、なぜか元気になった。
  • だから、答えは、土が教えてくれた。
  • 肥大せず、実を詰めて、静かに枯れていく。
  • ——土が、そう教えてくれた。
  • 一言でまとめると:
  • **「小さくても、腐らず枯れていく。それが私の、自然な生き方」**
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 「農家」として認定されにくい制度の壁を、どう越えていくか?
  • - 自然栽培で農地を守ろうとする人が農業参入できない、この矛盾をどう打開するか?
  • - 活動を持続・発展させるための仕組み(農事法人の設立など)を、どう形にしていくか?
  • - 生産性優先の視線との摩擦を、慣行農家と共存しながらどう乗り越えるか?
  • - 小さく実が詰まって枯れていく野菜の価値を、説得ではなく、どう伝えていくか?
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 大石美果さんという人:「土に枯れ方を教わった人」
  • ①「引き寄せられた人」:みかさんは農を選んだというより、農に引き寄せられた。長男のためだったはずが「自分が面白くなっちゃって」、有機農法のつもりがリアル・ハロウィンで自然栽培へ、市民農園は性に合わないから農地しかないと思い込んで——気づいたら上山口の荒れた休耕田の前に立っていた。意志というより、引力。みかさんの歩みには、そういう必然のような流れがある。
  • ②「失敗を土に返せる人」:玉ねぎが全滅しても「毎年、一年生かい」と自分にツッコミを入れる。虫が顔に飛んできても「土のことを何もわかってなかった」と静かに受け取る。失敗を嘆かず、責めず、ただ土に返して次の春を待てる人。それはある種の強さだけれど、みかさん本人はそれを強さとは呼ばない。ただ、そうするのが自然だから、そうしているように見える。
  • ③「集まってくる場をつくれる人」:根っこをFacebookに投稿したら仲間が来た。焚き火でお餅を焼いたらランチ会が始まった。小屋を移動するとなったら筋肉モリモリの人が集まってきた。みかさんが意図して人を集めたわけではない。ただ土を耕していたら、人がついてきた。「もともと人が苦手だったんですが、農作業してたら自然に仲良くなれる」——土が媒介になることで、みかさんの場には不思議な引力が生まれる。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

大石美果

project

nowhere HAYAMA100

number

11

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する