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森嵜健・周さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-12 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】健さん、周さん、けんさん、めぐるさん、森嵜さん、森嵜夫妻

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

健さんは葉山生まれ・葉山育ちの葉山ネイティブ。大学卒業後、取扱量日本一の食品商社に入るも「消費者までのつながりが見えない」という違和感から3年で離れる。
その後、パタゴニア鎌倉店へ。「波のいい時にサーフィンしたい」——その一心から、自分で時間を調整できる手に職の仕事を探し始める。
コーヒー関連の貿易会社でコーヒーと出会う。やがてカップ・オブ・エクセレンスの衝撃に触れ、「顔のわかる豆」の世界へと引き込まれていった。
シーカヤックショップのカフェバーで自家焙煎を始め、2003年、一色の住宅街の奥でTHE FIVE★BEANSをスタート。
周さんは横須賀出身。多摩美術大学舞台美術専攻を経てドイツへ留学、27歳で卒業。健さんとともに葉山の暮らしを本格的に始めた。
二人は震災前の森山神社朝市(焚き火マーケット)の立ち上げ、なぎさプラン反対運動、町長選挙への参加、3.11後の避難と葉山への帰還——葉山のコミュニティが形成されていく歴史の只中を、共に歩んできた。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

育てた人の顔ごと、豆を渡す人たち。

農園の人の顔・想い・プライドを、豆のまま届ける。
「今年の豆はすごくいいね」という言葉を、生産者、お客さんと、ずっと交わし続けること。
コーヒーをメディアに、葉山という場所から世界とつながり続けること。

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

御用邸近く、築100年以上の土間付き古民家でTHE FIVE★BEANSを経営(自家焙煎・スペシャルティコーヒー専門)。
シングルオリジンのみを扱い、原則ブレンドは販売しない。
卸し先には必ず来店・顔合わせを条件にする。
使い捨てカップを出さない(パタゴニア由来の環境スタンス)。
森山神社土曜朝市への参加・継続。
アウトドアイベント・山でのコーヒー企画などへの出店。
「お父さんブレンド」など、個人の記憶や思いをコーヒーで形にするオーダーにも対応。
周さんは絵画制作・和菓子づくりも並行して継続。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈農園のプライドを混ぜない〉

「他の産地の豆を混ぜてしまうのがものすごく失礼にあたるような気持ちが、根底にあるんですよね」——ブレンドをしない理由が、品質ではなく敬意から来ている。

〈タコノマクラからお店の名前へ〉

子供の頃、森戸海岸でビーチコーミングして集めていたタコノマクラ。そのロゴを周さんがデザインし、「5つの豆っぽく見える」ことから店名が決まった。海の記憶が、お店の核になっている。

〈自分たちのいる場所の役目〉

3.11の2日後、焙煎した豆を全部持って車で西へ。香川で過ごしながら「自分たちのいる場所の役目ってあるかもね」という思いが芽生え、葉山に戻ることを選んだ。

〈流動的であることが当たり前〉

「物も心も、つねに流動的であることが当たり前だって思うんですね」(周さん)「風まかせ、波まかせな感じなんです」(健さん)

〈お父さんブレンド〉

父を亡くされた方のお香典返しに「お父さんブレンド」をつくった。コーヒーが、人の記憶や悲しみをそっと包む器になる瞬間。

〈美智子さまとタコノマクラ〉

朝の散歩中に店の前を通られた美智子さまが真鍮の看板に触れ「ファイブ・ビーンズだったのね」と。タコノマクラを見せると「タコノマクラですね」——上皇陛下の生き物研究の話へ。葉山という場所の不思議な重力が滲む場面。

■コア(根底にある思い・願い)

コーヒー豆は農産物だから、

その土地に、その人の顔がある。

だから混ぜない。

プライドは、そのまま届ける。

「顔のわかる関係をつなぎ続ける、風を感じながら。」

その言葉を豆を育てた人とも、お客さんとも、

ずっと交わし続けられる関係が、

いちばん大事なものだと思っている。

波まかせ、風まかせで動きながら、

でも3.11の朝、葉山に戻ることを選んだ。

根があるから、流れに乗れる。

一言でまとめると:

「顔のわかる関係を、ずっとつなぎ続けること。風を感じながら。」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

扱っているすべての産地を訪問し、農園の方の顔を見て紹介したい——という理想と、「全部はなかなか行けないけど」という現実のあいだ。
宿という新しい夢(周さん)——一組だけをもてなし、葉山をトータルに案内できる場——をどう形にしていくか。
「世代交代をうまくしとかないとね」(健さん)——葉山のコミュニティと、お店の次の章をどう描くか。
「土地を所有するのではなく代々受け継いでいく」(周さんのハワイ島の話)——葉山という場所をどう次の世代に渡していくか、という問い。

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

森嵜健さん・周さんという人:「顔のわかる関係を、ずっと紡ぎ続ける人たち」

①「農園のプライドを守る番人」:「他の産地の豆を混ぜてしまうのがものすごく失礼にあたるような気持ちが、根底にある」——ブレンドをしない理由は、品質へのこだわりでも差別化でもなく、生産者への敬意から来ている。卸し先には必ず来店を求め、顔を見てからコーヒーをつなぐ。商品ではなく、関係性を売っている人たちだ。

②「葉山の記憶を体に刻む人」:「もり兵衛の店主も、魚寅の長男坊も同級生」——健さんの語り口には、葉山の地図が体ごと入っている。なぎさプラン反対運動、町長選、震災後の動き。葉山のコミュニティが今の形になっていく歴史を、傍観者としてではなく、自分の足で歩いてきた人だ。

③「流れの中に根を張る人」:「風まかせ、波まかせ」「物も心も、つねに流動的であることが当たり前」と言いながら、3.11の二日後に西へ逃げ、それでも「自分たちのいる場所の役目ってあるかもね」という思いで葉山に戻ってきた。根があるから、流れに乗れる。二人の在り方は、その循環そのものだ。

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  • 【呼び名】健さん、周さん、けんさん、めぐるさん、森嵜さん、森嵜夫妻
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 健さんは葉山生まれ・葉山育ちの葉山ネイティブ。大学卒業後、取扱量日本一の食品商社に入るも「消費者までのつながりが見えない」という違和感から3年で離れる。
  • - その後、パタゴニア鎌倉店へ。「波のいい時にサーフィンしたい」——その一心から、自分で時間を調整できる手に職の仕事を探し始める。
  • - コーヒー関連の貿易会社でコーヒーと出会う。やがてカップ・オブ・エクセレンスの衝撃に触れ、「顔のわかる豆」の世界へと引き込まれていった。
  • - シーカヤックショップのカフェバーで自家焙煎を始め、2003年、一色の住宅街の奥でTHE FIVE★BEANSをスタート。
  • - 周さんは横須賀出身。多摩美術大学舞台美術専攻を経てドイツへ留学、27歳で卒業。健さんとともに葉山の暮らしを本格的に始めた。
  • - 二人は震災前の森山神社朝市(焚き火マーケット)の立ち上げ、なぎさプラン反対運動、町長選挙への参加、3.11後の避難と葉山への帰還——葉山のコミュニティが形成されていく歴史の只中を、共に歩んできた。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **育てた人の顔ごと、豆を渡す人たち。**
  • - 農園の人の顔・想い・プライドを、豆のまま届ける。
  • - 「今年の豆はすごくいいね」という言葉を、生産者、お客さんと、ずっと交わし続けること。
  • - コーヒーをメディアに、葉山という場所から世界とつながり続けること。
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 御用邸近く、築100年以上の土間付き古民家でTHE FIVE★BEANSを経営(自家焙煎・スペシャルティコーヒー専門)。
  • - シングルオリジンのみを扱い、原則ブレンドは販売しない。
  • - 卸し先には必ず来店・顔合わせを条件にする。
  • - 使い捨てカップを出さない(パタゴニア由来の環境スタンス)。
  • - 森山神社土曜朝市への参加・継続。
  • - アウトドアイベント・山でのコーヒー企画などへの出店。
  • - 「お父さんブレンド」など、個人の記憶や思いをコーヒーで形にするオーダーにも対応。
  • - 周さんは絵画制作・和菓子づくりも並行して継続。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈農園のプライドを混ぜない〉
  • 「他の産地の豆を混ぜてしまうのがものすごく失礼にあたるような気持ちが、根底にあるんですよね」——ブレンドをしない理由が、品質ではなく敬意から来ている。
  • 〈タコノマクラからお店の名前へ〉
  • 子供の頃、森戸海岸でビーチコーミングして集めていたタコノマクラ。そのロゴを周さんがデザインし、「5つの豆っぽく見える」ことから店名が決まった。海の記憶が、お店の核になっている。
  • 〈自分たちのいる場所の役目〉
  • 3.11の2日後、焙煎した豆を全部持って車で西へ。香川で過ごしながら「自分たちのいる場所の役目ってあるかもね」という思いが芽生え、葉山に戻ることを選んだ。
  • 〈流動的であることが当たり前〉
  • 「物も心も、つねに流動的であることが当たり前だって思うんですね」(周さん)「風まかせ、波まかせな感じなんです」(健さん)
  • 〈お父さんブレンド〉
  • 父を亡くされた方のお香典返しに「お父さんブレンド」をつくった。コーヒーが、人の記憶や悲しみをそっと包む器になる瞬間。
  • 〈美智子さまとタコノマクラ〉
  • 朝の散歩中に店の前を通られた美智子さまが真鍮の看板に触れ「ファイブ・ビーンズだったのね」と。タコノマクラを見せると「タコノマクラですね」——上皇陛下の生き物研究の話へ。葉山という場所の不思議な重力が滲む場面。
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • コーヒー豆は農産物だから、
  • その土地に、その人の顔がある。
  • だから混ぜない。
  • プライドは、そのまま届ける。
  • **「顔のわかる関係をつなぎ続ける、風を感じながら。」**
  • その言葉を豆を育てた人とも、お客さんとも、
  • ずっと交わし続けられる関係が、
  • いちばん大事なものだと思っている。
  • 波まかせ、風まかせで動きながら、
  • でも3.11の朝、葉山に戻ることを選んだ。
  • 根があるから、流れに乗れる。
  • 一言でまとめると:
  • **「顔のわかる関係を、ずっとつなぎ続けること。風を感じながら。」**
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 扱っているすべての産地を訪問し、農園の方の顔を見て紹介したい——という理想と、「全部はなかなか行けないけど」という現実のあいだ。
  • - 宿という新しい夢(周さん)——一組だけをもてなし、葉山をトータルに案内できる場——をどう形にしていくか。
  • - 「世代交代をうまくしとかないとね」(健さん)——葉山のコミュニティと、お店の次の章をどう描くか。
  • - 「土地を所有するのではなく代々受け継いでいく」(周さんのハワイ島の話)——葉山という場所をどう次の世代に渡していくか、という問い。
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 森嵜健さん・周さんという人:「顔のわかる関係を、ずっと紡ぎ続ける人たち」
  • ①「農園のプライドを守る番人」:「他の産地の豆を混ぜてしまうのがものすごく失礼にあたるような気持ちが、根底にある」——ブレンドをしない理由は、品質へのこだわりでも差別化でもなく、生産者への敬意から来ている。卸し先には必ず来店を求め、顔を見てからコーヒーをつなぐ。商品ではなく、関係性を売っている人たちだ。
  • ②「葉山の記憶を体に刻む人」:「もり兵衛の店主も、魚寅の長男坊も同級生」——健さんの語り口には、葉山の地図が体ごと入っている。なぎさプラン反対運動、町長選、震災後の動き。葉山のコミュニティが今の形になっていく歴史を、傍観者としてではなく、自分の足で歩いてきた人だ。
  • ③「流れの中に根を張る人」:「風まかせ、波まかせ」「物も心も、つねに流動的であることが当たり前」と言いながら、3.11の二日後に西へ逃げ、それでも「自分たちのいる場所の役目ってあるかもね」という思いで葉山に戻ってきた。根があるから、流れに乗れる。二人の在り方は、その循環そのものだ。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

森嵜健・周

project

nowhere HAYAMA100

number

12

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する