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秋本圭介さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-19 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】秋本さん

下水道が人の健康を支えるライフラインの役割を果たす、そんな未来を目指したい。

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

1989年、神奈川県藤沢市生まれ。学生結婚を経て、子育てへの思いから葉山町役場に入庁。志望していた子ども育成課ではなく、下水道課に配属される。
「臭い・汚い」というイメージと「何をする部署かわからない」という状態からスタートしながら、不安よりもワクワクが強かったと振り返る。
「下水道課は小さな役場」という上司の言葉の意味が、時間をかけて実感されていった。
入庁数年で全国の若手職員との交流が始まり、他の自治体では経験できないネットワークが広がっていく。
2021年、町村職員として全国初の国土交通省・下水道部への一年間出向。「閉鎖的な思考だった」という自覚が生まれ、考え方・働き方が180度転換。
帰任後、下水課の職員として葉山の下水道インフラの管理運営を一手に担いながら、それまで知り得た知見を加速度的に動かしている。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

地の底に潜り、閉じているものを開いていく人。

迷惑施設と呼ばれる場所に面白さを見出し、そこに人を招き入れる。
行政の縦割りの壁に穴を開け、官と民、自治体と国をつなぐ。
見えない地下のインフラに、健康・生態系・生活安心という新しい言葉を与える。
閉じた情報を外に出し、住民・企業・他自治体との対話から仕組みを動かす。

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

葉山町役場入庁以来一貫して下水道課に勤務。官民連携(PPP)による下山口地区の下水道整備を全国3番目の事例として実施。
町村職員として全国初の国土交通省下水道部への出向(2021年)を経験し、メディア対応・国会対応・災害対応など、行政の横断的スキルを習得。
若手下水道経験者のネットワーク「下水道場」の運営側として参加し、全国規模の知見交流を推進。
役場内の自主研究グループ「葉山人財塾」を立ち上げ、政策・広報・環境・教育など各部署の同世代有志とのハブ形成を進める。
秋田県の「ONE AKITA」モデルを参考に、葉山を起点とした三浦半島全体のインフラ共同化・一本化構想をスタート。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈下水道課は「小さな役場」だから〉

「役場で一つ一つの課がやっていることを、下水道課にいれば全部経験できる」——上司の言葉を「時間が経てば経つほど実感できる」と語った。専門職の枠に閉じず、行政のOS全体を内側から理解しようとする姿勢が、この一言に凝縮されている。

〈閉鎖的な思考だったと強く感じた〉

「必要最低限の情報だけ外に出す風潮に違和感をおぼえていた」と語った国交省出向での気づき。「閉じているものを開く」という衝動が、それ以降の秋本さんのすべての行動に通底している。

〈住民が知りたいのは「いつまでにどうなるか?」〉

トラブル対応における情報提供の質についての言葉。「状況は確認できても、先が見えないまま何時間も過ぎてしまう」という現実に対し、KPIのような目標値を出せる体制にしたいと語った。安心の根拠は「情報の透明さ」にあるという、秋本さんの住民観が滲む。

〈健康というジャンルのなかに下水道があります〉

「究極はそこを目指したい」という言葉とセットで語られた。トイレの排泄データから個人の健康状態を把握できる未来を想像しながら、下水道を「人の健康を支えるライフライン」として再定義しようとしている。コアに最も近い言葉。

〈下からどんどん変えていく〉

インフラ一本化の構想を語った後、「できることをどんどん進めていきたい」と締めた言葉。物理的にも(地下のインフラ)、社会構造的にも(見えない底から)、変革の入口は「地の底」にあるという確信が、この短い一言に宿っている。

■コア(根底にある思い・願い)

秋本さんの目が輝くのは、

いつも「見えない場所」の話をするとき。

地下を走る管路、

地中に埋まった処理施設、

排水の行方——誰も意識しないところに、

確かに生活の根っこがある。

「臭い・汚い」という最初のイメージを引き受けながら、

その場所から社会を変えようとしている。

閉じているものを開くこと。

行政の縦割りを、官民の壁を、ジャンルの境界を。

「下水道というジャンルにとどまらず、

健康というジャンルのなかに下水道があります」

——この言葉が示すのは、

インフラの再定義ではなく、

人の暮らしの根っこをどこで支えるか、という問いだ。

一言でまとめると:

「地下を流れるまちの動脈をつかさどり、人のいのちを支えていく。」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

葉山浄化センターの電力依存度が高く、停電時のリスク対応が現状の体制では限界がある。
官民連携・インフラ一本化の構想を、既存の縦割り構造との摩擦のなかどう実現していくか?
水質浄化を数値で示している取り組みを、海の環境保全に関わる人とどう共有するか?
構想段階にある「健康×下水道」というビジョンをどう形にし、認知につなげていくか?
葉山人財塾など役場内の横断ネットワークを、どう外部との連携まで広げていくか。

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

秋本圭介さんという人:「地下に潜ったまま、社会を変えようとしている人」

①「見えないものへの愛着」:下水道を選んだわけではない。でも「この仕事ってとても面白いな」と感じた最初の現場見学から、秋本さんはずっとこの場所を離れていない。「臭い・汚い」という言葉の重力圏の中で、その重力に抗わず、むしろ引き受けながら、別の価値を掘り起こそうとしている。

②「閉じているものを開く衝動」:「閉鎖的な思考だったと強く感じた」という国交省出向での気づきは、それ以降のすべてに通底している。行政の縦割り、インフラの分断、住民との情報の非対称——閉じているものを見つけるたびに、開こうとする。その衝動が、インフラ一本化という壮大な構想にまで育っていった。

③「底から動く、静かな革命家」:「下からどんどん変えていく」——この短い言葉が、秋本さんの在り方をそのまま表している。派手な旗を立てるわけでも、上から制度を変えるわけでもなく、地の底に潜ったまま、できることを一つずつ動かしていく。葉山という3万人の小さなまちで雛型をつくり、それを三浦半島へ、全国へと広げていこうとする構想は、地下の管路が静かに、確実に、まちの隅々まで張り巡らされていく姿と重なる。

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  • 【呼び名】秋本さん
  • 下水道が人の健康を支えるライフラインの役割を果たす、そんな未来を目指したい。
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 1989年、神奈川県藤沢市生まれ。学生結婚を経て、子育てへの思いから葉山町役場に入庁。志望していた子ども育成課ではなく、下水道課に配属される。
  • - 「臭い・汚い」というイメージと「何をする部署かわからない」という状態からスタートしながら、不安よりもワクワクが強かったと振り返る。
  • - 「下水道課は小さな役場」という上司の言葉の意味が、時間をかけて実感されていった。
  • - 入庁数年で全国の若手職員との交流が始まり、他の自治体では経験できないネットワークが広がっていく。
  • - 2021年、町村職員として全国初の国土交通省・下水道部への一年間出向。「閉鎖的な思考だった」という自覚が生まれ、考え方・働き方が180度転換。
  • - 帰任後、下水課の職員として葉山の下水道インフラの管理運営を一手に担いながら、それまで知り得た知見を加速度的に動かしている。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **地の底に潜り、閉じているものを開いていく人。**
  • - 迷惑施設と呼ばれる場所に面白さを見出し、そこに人を招き入れる。
  • - 行政の縦割りの壁に穴を開け、官と民、自治体と国をつなぐ。
  • - 見えない地下のインフラに、健康・生態系・生活安心という新しい言葉を与える。
  • - 閉じた情報を外に出し、住民・企業・他自治体との対話から仕組みを動かす。
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 葉山町役場入庁以来一貫して下水道課に勤務。官民連携(PPP)による下山口地区の下水道整備を全国3番目の事例として実施。
  • - 町村職員として全国初の国土交通省下水道部への出向(2021年)を経験し、メディア対応・国会対応・災害対応など、行政の横断的スキルを習得。
  • - 若手下水道経験者のネットワーク「下水道場」の運営側として参加し、全国規模の知見交流を推進。
  • - 役場内の自主研究グループ「葉山人財塾」を立ち上げ、政策・広報・環境・教育など各部署の同世代有志とのハブ形成を進める。
  • - 秋田県の「ONE AKITA」モデルを参考に、葉山を起点とした三浦半島全体のインフラ共同化・一本化構想をスタート。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈下水道課は「小さな役場」だから〉
  • 「役場で一つ一つの課がやっていることを、下水道課にいれば全部経験できる」——上司の言葉を「時間が経てば経つほど実感できる」と語った。専門職の枠に閉じず、行政のOS全体を内側から理解しようとする姿勢が、この一言に凝縮されている。
  • 〈閉鎖的な思考だったと強く感じた〉
  • 「必要最低限の情報だけ外に出す風潮に違和感をおぼえていた」と語った国交省出向での気づき。「閉じているものを開く」という衝動が、それ以降の秋本さんのすべての行動に通底している。
  • 〈住民が知りたいのは「いつまでにどうなるか?」〉
  • トラブル対応における情報提供の質についての言葉。「状況は確認できても、先が見えないまま何時間も過ぎてしまう」という現実に対し、KPIのような目標値を出せる体制にしたいと語った。安心の根拠は「情報の透明さ」にあるという、秋本さんの住民観が滲む。
  • 〈健康というジャンルのなかに下水道があります〉
  • 「究極はそこを目指したい」という言葉とセットで語られた。トイレの排泄データから個人の健康状態を把握できる未来を想像しながら、下水道を「人の健康を支えるライフライン」として再定義しようとしている。コアに最も近い言葉。
  • 〈下からどんどん変えていく〉
  • インフラ一本化の構想を語った後、「できることをどんどん進めていきたい」と締めた言葉。物理的にも(地下のインフラ)、社会構造的にも(見えない底から)、変革の入口は「地の底」にあるという確信が、この短い一言に宿っている。
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • 秋本さんの目が輝くのは、
  • いつも「見えない場所」の話をするとき。
  • 地下を走る管路、
  • 地中に埋まった処理施設、
  • 排水の行方——誰も意識しないところに、
  • 確かに生活の根っこがある。
  • 「臭い・汚い」という最初のイメージを引き受けながら、
  • その場所から社会を変えようとしている。
  • 閉じているものを開くこと。
  • 行政の縦割りを、官民の壁を、ジャンルの境界を。
  • 「下水道というジャンルにとどまらず、
  • 健康というジャンルのなかに下水道があります」
  • ——この言葉が示すのは、
  • インフラの再定義ではなく、
  • 人の暮らしの根っこをどこで支えるか、という問いだ。
  • 一言でまとめると:
  • **「地下を流れるまちの動脈をつかさどり、人のいのちを支えていく。」**
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 葉山浄化センターの電力依存度が高く、停電時のリスク対応が現状の体制では限界がある。
  • - 官民連携・インフラ一本化の構想を、既存の縦割り構造との摩擦のなかどう実現していくか?
  • - 水質浄化を数値で示している取り組みを、海の環境保全に関わる人とどう共有するか?
  • - 構想段階にある「健康×下水道」というビジョンをどう形にし、認知につなげていくか?
  • - 葉山人財塾など役場内の横断ネットワークを、どう外部との連携まで広げていくか。
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 秋本圭介さんという人:「地下に潜ったまま、社会を変えようとしている人」
  • ①「見えないものへの愛着」:下水道を選んだわけではない。でも「この仕事ってとても面白いな」と感じた最初の現場見学から、秋本さんはずっとこの場所を離れていない。「臭い・汚い」という言葉の重力圏の中で、その重力に抗わず、むしろ引き受けながら、別の価値を掘り起こそうとしている。
  • ②「閉じているものを開く衝動」:「閉鎖的な思考だったと強く感じた」という国交省出向での気づきは、それ以降のすべてに通底している。行政の縦割り、インフラの分断、住民との情報の非対称——閉じているものを見つけるたびに、開こうとする。その衝動が、インフラ一本化という壮大な構想にまで育っていった。
  • ③「底から動く、静かな革命家」:「下からどんどん変えていく」——この短い言葉が、秋本さんの在り方をそのまま表している。派手な旗を立てるわけでも、上から制度を変えるわけでもなく、地の底に潜ったまま、できることを一つずつ動かしていく。葉山という3万人の小さなまちで雛型をつくり、それを三浦半島へ、全国へと広げていこうとする構想は、地下の管路が静かに、確実に、まちの隅々まで張り巡らされていく姿と重なる。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

秋本圭介

project

nowhere HAYAMA100

number

19

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する