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滝澤恭平さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-13 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】滝澤さん、滝沢さん

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

大阪大学人間科学部卒業後、角川書店へ。その後、工学院大学建築学科を経てランドスケープデザイナーに転身。
全国の水辺のまちづくり・河川再生をサポートする仕事を続ける。
東京・吉祥寺在住時代から「善福寺川を里川にカエル会(善福蛙)」を主宰。地域住民と協働した水辺の再生・環境教育に取り組む。子どもたちの「夢の水路」の絵を区長にプレゼンし、2019年に親水空間が整備される。
コロナ禍を機に、2020年、葉山・一色に移住。
葉山の水蒸気に包まれた美しい風景と、その裏に潜む複雑な地形・浸水リスクの表裏一体を実感、グリーンインフラの実践を開始する。
2022年、九州大学工学府大学院博士課程修了(工学博士)。「環境スチュワードシップ」をテーマに博士論文をまとめる。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

土地のすがたを読み直し、気持ちよく生きる場を育てている人。

葉山の地形・水みちをGISで分析・可視化し、地域の人が土地を体感できる場をつくる。
レインガーデンを市民と協働でつくり、一人一人の庭から街全体のスポンジ化を広げる。
「水の気持ちになる」フィールドワークを通じ、感覚で土地とつながる入口を開く。
ガーデニング・草刈りが公益につながるという逆転を、実践で示し続ける。

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

葉山の水みちマップをGISで作成し、「葉山みずみちウォーキング」を実施(2022年〜)。
平野邸(堀内)の庭に、上山口の竹・葉山の石を使い地域の人と手づくりでレインガーデンを整備(2022年)。
花の木公園でレインガーデンワークショップを開催、約30人と協働(2023年3月)。
唐木作(上山口)の耕作放棄地で、HFCメンバーとともに土留め・水路づくりを実施。
「葉山グリーンインフラ研究会」を設立し、相談窓口として地域に開く。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈癒しと災害が、同じ場所から〉

「海から運ばれてきた水の分子が大気の中で混ざり合うことで癒しを生み出す一方で、災害のリスクも潜在している」——葉山の美しさと怖さは、同じ地形から生まれている。この逆説が、恭平さんの出発点にある。

〈水の気持ちになってみる〉

「自分のまちに流れる水の流れを面白がり、みんなでフィールドワークしてみる。水の気持ちになってみる」——専門知識より先に、感覚として水と同化することをうながす言葉。

〈ほぼ趣味の領域なんですけど〉

「実際にやっているのは、ガーデニングだったり、草刈りだったり、ほぼ趣味の領域なんですけど、そうした趣味が公益性につながりうるというところが面白い」——楽しさと責任が一致する場所が、ここにある。

〈みんなが好きでやっていることが〉

「みんなが好きでやっていることが、町全体にとって良い取り組みにつながっている」——一人一人の「好き」の集積が、街全体を変えるという確信。

〈草を刈るだけで自分も元気になって〉

「風の草刈りの効果なのか、草を刈るだけで自分も元気になって、よみがえった感じがあるんです」——防災という重い言葉とは真逆の、身体的な喜びの言葉。行為の中に癒しがある。

■コア(根底にある思い・願い)

土地には、水が流れるべき道がある。

コンクリートで塞いでも、地形は覚えている。

水の気持ちになれば、

癒しと怖さが、

同じ場所から来ていることがわかる。

庭に一つ穴を掘れば、

街全体がスポンジになる。

草を刈れば、自分もよみがえる。

一人の庭が、やがて水みちになる。

一人のよろこびが、土地の記憶を呼び覚ます。

一言でまとめると:

「みんなが好きでやっていることが、そのまままちを守っている。」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

50年間誰も木を伐っていない放置林の荒廃。薪炭林としての利用が消え、倒木・土砂災害リスクが蓄積している。誰がどう管理するか。
砂防堰堤が倒木で埋まるなど、公的インフラが機能不全に陥りつつある現実とどう向き合うか。
レインガーデンで10〜20ミリの雨には対応できるが「台風になったらどうしようもない」——小さな市民の取り組みと大規模災害の間のスケールギャップをどう埋めるか。
ボランタリーな活動の持続性。「葉山グリーンインフラ研究会」というゆるいネットワークをどう継続・拡張させていくか。
行政との連携をどう制度化するか。花の木公園のように要望はあるが、予算・権限・仕組みの裏付けをどう育てるか。

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

滝澤恭平さんという人:「地表の下に、静かに水を溜める人」

テキストを読み終えて最初に浮かんだのは、レインガーデンそのものの姿だった。表向きは普通の庭。知らない人は気づかない。でも地面の下には、水を浸み込ませる仕組みが静かに息をしていて、雨の日だけそっと池になる。恭平さんという人が、そのままそういう存在に見えた。

1、「水の気持ちになる」という反転:専門家は普通、水を「管理する対象」として外から見る。でも恭平さんは「水の気持ちになってみる」と言う。この小さな言葉の反転が、彼のすべての活動の根っこにある気がする。流れる側に立つから、どこが詰まっているか、どこに余白があるかが感覚でわかる。GISの分析も、レインガーデンの設計も、その感覚の後から来ている。

2、「趣味と責任が一致した人」:「ガーデニングや草刈り、ほぼ趣味の領域」という言葉を、恭平さんは照れながら言っているようで、実はここに確信がある。楽しくなければ続かない。続かなければ街は変わらない。だから「趣味が公益になる」は方便ではなく——楽しくなければ続かない、続かなければ街は変わらない——それを身体で知っている、ということだと思う。「草を刈るだけで自分もよみがえる」——その身体の喜びが、まち全体の免疫になっていく。

3、「一つの穴から世界が見える人」:レインガーデンの穴一つから、ニューヨークのスポンジ・シティへ、コペンハーゲンの流域治水へ、明治以来の治水政策の大転換へと視野が開いていく。でも、話は必ず葉山の庭に戻ってくる。大きく見て、小さく掘る。その往復が自然で、気負いがない。恭平さんにとってそれは特別なことではなく、水が上から下へ流れるように、当たり前のことなのだと思う。

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  • 【呼び名】滝澤さん、滝沢さん
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 大阪大学人間科学部卒業後、角川書店へ。その後、工学院大学建築学科を経てランドスケープデザイナーに転身。
  • - 全国の水辺のまちづくり・河川再生をサポートする仕事を続ける。
  • - 東京・吉祥寺在住時代から「善福寺川を里川にカエル会(善福蛙)」を主宰。地域住民と協働した水辺の再生・環境教育に取り組む。子どもたちの「夢の水路」の絵を区長にプレゼンし、2019年に親水空間が整備される。
  • - コロナ禍を機に、2020年、葉山・一色に移住。
  • - 葉山の水蒸気に包まれた美しい風景と、その裏に潜む複雑な地形・浸水リスクの表裏一体を実感、グリーンインフラの実践を開始する。
  • - 2022年、九州大学工学府大学院博士課程修了(工学博士)。「環境スチュワードシップ」をテーマに博士論文をまとめる。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **土地のすがたを読み直し、気持ちよく生きる場を育てている人。**
  • - 葉山の地形・水みちをGISで分析・可視化し、地域の人が土地を体感できる場をつくる。
  • - レインガーデンを市民と協働でつくり、一人一人の庭から街全体のスポンジ化を広げる。
  • - 「水の気持ちになる」フィールドワークを通じ、感覚で土地とつながる入口を開く。
  • - ガーデニング・草刈りが公益につながるという逆転を、実践で示し続ける。
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 葉山の水みちマップをGISで作成し、「葉山みずみちウォーキング」を実施(2022年〜)。
  • - 平野邸(堀内)の庭に、上山口の竹・葉山の石を使い地域の人と手づくりでレインガーデンを整備(2022年)。
  • - 花の木公園でレインガーデンワークショップを開催、約30人と協働(2023年3月)。
  • - 唐木作(上山口)の耕作放棄地で、HFCメンバーとともに土留め・水路づくりを実施。
  • - 「葉山グリーンインフラ研究会」を設立し、相談窓口として地域に開く。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈癒しと災害が、同じ場所から〉
  • 「海から運ばれてきた水の分子が大気の中で混ざり合うことで癒しを生み出す一方で、災害のリスクも潜在している」——葉山の美しさと怖さは、同じ地形から生まれている。この逆説が、恭平さんの出発点にある。
  • 〈水の気持ちになってみる〉
  • 「自分のまちに流れる水の流れを面白がり、みんなでフィールドワークしてみる。水の気持ちになってみる」——専門知識より先に、感覚として水と同化することをうながす言葉。
  • 〈ほぼ趣味の領域なんですけど〉
  • 「実際にやっているのは、ガーデニングだったり、草刈りだったり、ほぼ趣味の領域なんですけど、そうした趣味が公益性につながりうるというところが面白い」——楽しさと責任が一致する場所が、ここにある。
  • 〈みんなが好きでやっていることが〉
  • 「みんなが好きでやっていることが、町全体にとって良い取り組みにつながっている」——一人一人の「好き」の集積が、街全体を変えるという確信。
  • 〈草を刈るだけで自分も元気になって〉
  • 「風の草刈りの効果なのか、草を刈るだけで自分も元気になって、よみがえった感じがあるんです」——防災という重い言葉とは真逆の、身体的な喜びの言葉。行為の中に癒しがある。
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • 土地には、水が流れるべき道がある。
  • コンクリートで塞いでも、地形は覚えている。
  • 水の気持ちになれば、
  • 癒しと怖さが、
  • 同じ場所から来ていることがわかる。
  • 庭に一つ穴を掘れば、
  • 街全体がスポンジになる。
  • 草を刈れば、自分もよみがえる。
  • 一人の庭が、やがて水みちになる。
  • 一人のよろこびが、土地の記憶を呼び覚ます。
  • 一言でまとめると:
  • **「みんなが好きでやっていることが、そのまままちを守っている。」**
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 50年間誰も木を伐っていない放置林の荒廃。薪炭林としての利用が消え、倒木・土砂災害リスクが蓄積している。誰がどう管理するか。
  • - 砂防堰堤が倒木で埋まるなど、公的インフラが機能不全に陥りつつある現実とどう向き合うか。
  • - レインガーデンで10〜20ミリの雨には対応できるが「台風になったらどうしようもない」——小さな市民の取り組みと大規模災害の間のスケールギャップをどう埋めるか。
  • - ボランタリーな活動の持続性。「葉山グリーンインフラ研究会」というゆるいネットワークをどう継続・拡張させていくか。
  • - 行政との連携をどう制度化するか。花の木公園のように要望はあるが、予算・権限・仕組みの裏付けをどう育てるか。
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 滝澤恭平さんという人:「地表の下に、静かに水を溜める人」
  • テキストを読み終えて最初に浮かんだのは、レインガーデンそのものの姿だった。表向きは普通の庭。知らない人は気づかない。でも地面の下には、水を浸み込ませる仕組みが静かに息をしていて、雨の日だけそっと池になる。恭平さんという人が、そのままそういう存在に見えた。
  • 1、**「水の気持ちになる」という反転**:専門家は普通、水を「管理する対象」として外から見る。でも恭平さんは「水の気持ちになってみる」と言う。この小さな言葉の反転が、彼のすべての活動の根っこにある気がする。流れる側に立つから、どこが詰まっているか、どこに余白があるかが感覚でわかる。GISの分析も、レインガーデンの設計も、その感覚の後から来ている。
  • 2、**「趣味と責任が一致した人」**:「ガーデニングや草刈り、ほぼ趣味の領域」という言葉を、恭平さんは照れながら言っているようで、実はここに確信がある。楽しくなければ続かない。続かなければ街は変わらない。だから「趣味が公益になる」は方便ではなく——楽しくなければ続かない、続かなければ街は変わらない——それを身体で知っている、ということだと思う。「草を刈るだけで自分もよみがえる」——その身体の喜びが、まち全体の免疫になっていく。
  • 3、**「一つの穴から世界が見える人」**:レインガーデンの穴一つから、ニューヨークのスポンジ・シティへ、コペンハーゲンの流域治水へ、明治以来の治水政策の大転換へと視野が開いていく。でも、話は必ず葉山の庭に戻ってくる。大きく見て、小さく掘る。その往復が自然で、気負いがない。恭平さんにとってそれは特別なことではなく、水が上から下へ流れるように、当たり前のことなのだと思う。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

滝澤恭平

project

nowhere HAYAMA100

number

13

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する