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金振さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-15 (ANOMI Note Edition)

【呼び名】金さん

「自然には生命がある」と仮定すると、研究の手法は根本から変わっていきますね。

■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)

中国・吉林省生まれ。大学(文学部)卒業後、高校教師への就職が決まっていたが、赴任初日に辞表を出し、日本への留学を決意。
2000年来日。大阪で深夜の高級クラブ厨房(洗い場)で週6日・夜6時から深夜2時まで働きながら、学費と家への仕送りを自ら稼ぐ。
大阪教育大学修士→京都大学修士→京都大学法学博士(行政法)取得まで9年。2009年、博士号取得。
電力中央研究所(安孫子)に就職し、法学の知見を気候変動政策に応用。2012年退所後、IGESへ。一度つらくなって離れるが、後に復帰。
45歳ごろまで「人生が暗いトンネルの中」にあると感じていたが、ある日自宅から葉山の町を眺めて「なぜこの町をちゃんと調べようと思わなかったんだろう」と気づく。
「環境のせいではなく、自分の心の問題」という内省を経て、「地球には命がある」という視点に転換。独学でGIS研究を始め、葉山町から脱炭素戦略レポートを依頼される。
2024年9月、地域住民と共につくりあげたSF舞台劇「奪還せよ!HT-1」を葉山町福祉文化会館で上演。

■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)

要素に分断された自然を重ね合わせ、一つの命に統合している人。

自然環境のGISデータを取得・重ね合わせて可視化し、バラバラになっていたものを「一つの命の全体」として感じられるようにする。
専門領域を横断した統合的なデータ分析で、地域の脱炭素戦略を科学的に支える。
地域の課題を特定し、その課題に最も合ったフォーム(舞台・コンテスト・研究発表など)を選んで実装する。
地球への愛着と絆を、感動の体験として人々に手渡す。

■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)

地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員として、環境モニタリング・GISデータ解析・脱炭素都市戦略を担当。
葉山町の依頼で脱炭素戦略レポートを作成(2024年2月)。建築物・森林・ブルーカーボンなど複数領域のデータを統合し、葉山町の排出量・吸収量を定量分析。
ドローンによる森林のGISスキャンを独自実施。既存の古いデータに頼らず、実態に即した森林全体の計算を行う。
「ゲンベイさんとSDGs」コンテストを企画・運営(2024年7月)。げんべい商店のビーサンのソールを素材に、100点超の作品を公募・審査・展示。
SF舞台劇「奪還せよ!HT-1」を企画・脚本・演出。脚本なし・キャストなしの状態から約2ヶ月で立ち上げ、約100名の観客を動員。

■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)

〈自然は命あるもので、地球にも意識がある〉

「自然は命あるもので、地球にも意識があるということを仮定した場合、研究の手法はガラッと変わるんです。(中略)自然の声をどう理解するのか? 自然の気持ちをどうすれば理解できるのか? というアプローチに変わったんです。」——法律学から環境政策、そしてGIS研究へと移ってきた軌跡は、外から見れば転々としているように映る。でも金さんにとって、それは一本の問いの深まりだった。「地球に命がある」という仮定を置いた瞬間、研究の手法だけでなく、自分の在り方そのものが変わった。

〈恋するように、観察する〉

「誰かに恋をしたら、あの人が何とやっているのか、何が好きなのかと四六時中考えるはずです。環境モニタリングや環境データの見える化は、自然の気持ちを知るための観察だと思えばわかりやすいかな。」——データを集めることを、金さんはこう表現した。科学者の言葉とは思えないほど直感的で、温かい。でもこの一言が、金さんの研究の核心をそのまま言い表している。

〈フォームを先に当てはめない〉

「舞台のようなフォームを先に当てはめるんじゃなく、課題をまず特定して、そこに合ったフォームを見つけていく、それが私のやり方かなと思いますね。」——GIS研究も、舞台も、コンテストも、金さんの中では同じ一本の線でつながっている。手段を先に決めない。地球の問いが先にあって、答えとしてのフォームは後からついてくる。

〈ここはスカスカだった〉

「昔の自分は、まわりから見れば輝かしく見えたかもしれないけど、(胸のあたりを指しながら)ここはスカスカ。それは心が本当に正しいと思っていることをやっていなかったからです。」——博士号を取り、研究機関に勤めながら、金さんは45歳まで「暗いトンネルの中」にいたと言う。外側のフォームがどれだけ整っていても、内側が空洞だった。この正直な自己開示が、その後の転換の深さを物語っている。

〈無限にリアルにできる〉

「どのくらい見えるか? 多分、それは無限だと思う。無限にリアルにできる、自然にはそれだけのポテンシャルがあるのでゴールはないですね。」——自然を観察することにゴールはない、と金さんは言う。それは諦めではなく、むしろ喜びだ。命を相手にしているから、終わりがない。その無限さを、金さんは静かに楽しんでいる。

■コア(根底にある思い・願い)

法律の言葉で世界を整理しようとした時代があった。

データで自然を測ろうとした時代があった。

でも、金さんが本当に向かっていたのは、

もっとシンプルなことだ。

地球に命があると仮定した瞬間、すべてが変わった。

研究の手法が変わり、人との関わり方が変わり、

舞台という場が生まれ、100人が泣いた。

恋するように自然を観察する。

フォームを手放すほど、見えてくるものが増えていく。

幸せが外にあると思っていた自分を抜け出して、

内側から動きはじめたとき、世界が応えるように動き出した。

一言でまとめると:

「地球の命を恋するように見つめ、そこに原理を見出したい。」

■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)

「自然に命がある」という仮定を、科学的コミュニティの中でどう共有していくか?
古いデータへの依存から脱し、継続的な観測体制をどう整えるか?
研究と表現活動を両立するための時間・人材・リソースの確保は?
地域密着型の活動を、持続的な仕組みとしてどう根づかせるか?
葉山という一地域での実践を、どう普遍的なモデルとして他地域・世界へ開いていくか?

■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)

金振さんという人:「仮定を置いた瞬間に世界が動き出す人」

1、「フォームを手放すほど、届くものが増えていく」:「舞台のようなフォームを先に当てはめるんじゃなく、課題をまず特定して、そこに合ったフォームを見つけていく」——この言葉が、金さんの在り方をそのまま言い表している。GIS研究も、舞台も、コンテストも、外からは脈絡がないように見える。でも、金さんの内側では、地球の問いが先にあって、フォームは後からついてきているだけだ。フォームへの執着を手放したから、研究者が脚本を書き、100人が泣く舞台が生まれた。

2、「恋するように、観察する科学者」:「誰かに恋をしたら、あの人が何とやっているのか、四六時中考えるはずです。環境モニタリングは、自然の気持ちを知るための観察だと思えばわかりやすいかな」——この一言を聞いた時、金さんの研究の根っこが見えた気がした。データを集めることを「恋」と言える研究者は、そういない。自然を物質として見ているのではなく、気持ちを知りたい相手として見ている。その眼差しが先にあって、GISという道具はあとからついてきた。

3、「暗いトンネルを抜けた先に、舞台があった」:「昔の自分は、まわりから見れば輝かしく見えたかもしれないけど、ここはスカスカ」——胸を指しながらそう言った金さんの言葉が、ずっと残っている。博士号を9年かけて取り、研究機関に勤めながら、45歳まで暗いトンネルの中にいた。外側のフォームがどれだけ整っていても、内側が空洞だった。「地球に命がある」という仮定を置いた瞬間、研究の景色が変わり、幸せの定義が変わり、舞台が生まれた。トンネルを抜けた先に見えたのは、データでも論文でもなく、100人が泣く舞台だった。

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  • 【呼び名】金さん
  • 「自然には生命がある」と仮定すると、研究の手法は根本から変わっていきますね。
  • ■背景(いまの活動・生き方にいたった経緯)
  • - 中国・吉林省生まれ。大学(文学部)卒業後、高校教師への就職が決まっていたが、赴任初日に辞表を出し、日本への留学を決意。
  • - 2000年来日。大阪で深夜の高級クラブ厨房(洗い場)で週6日・夜6時から深夜2時まで働きながら、学費と家への仕送りを自ら稼ぐ。
  • - 大阪教育大学修士→京都大学修士→京都大学法学博士(行政法)取得まで9年。2009年、博士号取得。
  • - 電力中央研究所(安孫子)に就職し、法学の知見を気候変動政策に応用。2012年退所後、IGESへ。一度つらくなって離れるが、後に復帰。
  • - 45歳ごろまで「人生が暗いトンネルの中」にあると感じていたが、ある日自宅から葉山の町を眺めて「なぜこの町をちゃんと調べようと思わなかったんだろう」と気づく。
  • - 「環境のせいではなく、自分の心の問題」という内省を経て、「地球には命がある」という視点に転換。独学でGIS研究を始め、葉山町から脱炭素戦略レポートを依頼される。
  • - 2024年9月、地域住民と共につくりあげたSF舞台劇「奪還せよ!HT-1」を葉山町福祉文化会館で上演。
  • ■目的(活動を通じて実現したいこと・実態として何をやっているか?)
  • **要素に分断された自然を重ね合わせ、一つの命に統合している人。**
  • - 自然環境のGISデータを取得・重ね合わせて可視化し、バラバラになっていたものを「一つの命の全体」として感じられるようにする。
  • - 専門領域を横断した統合的なデータ分析で、地域の脱炭素戦略を科学的に支える。
  • - 地域の課題を特定し、その課題に最も合ったフォーム(舞台・コンテスト・研究発表など)を選んで実装する。
  • - 地球への愛着と絆を、感動の体験として人々に手渡す。
  • ■位置付け(目的に対して具体的にしてきたこと)
  • - 地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員として、環境モニタリング・GISデータ解析・脱炭素都市戦略を担当。
  • - 葉山町の依頼で脱炭素戦略レポートを作成(2024年2月)。建築物・森林・ブルーカーボンなど複数領域のデータを統合し、葉山町の排出量・吸収量を定量分析。
  • - ドローンによる森林のGISスキャンを独自実施。既存の古いデータに頼らず、実態に即した森林全体の計算を行う。
  • - 「ゲンベイさんとSDGs」コンテストを企画・運営(2024年7月)。げんべい商店のビーサンのソールを素材に、100点超の作品を公募・審査・展示。
  • - SF舞台劇「奪還せよ!HT-1」を企画・脚本・演出。脚本なし・キャストなしの状態から約2ヶ月で立ち上げ、約100名の観客を動員。
  • ■エッセンス(対話の中で印象的だった言葉や場面)
  • 〈自然は命あるもので、地球にも意識がある〉
  • 「自然は命あるもので、地球にも意識があるということを仮定した場合、研究の手法はガラッと変わるんです。(中略)自然の声をどう理解するのか? 自然の気持ちをどうすれば理解できるのか? というアプローチに変わったんです。」——法律学から環境政策、そしてGIS研究へと移ってきた軌跡は、外から見れば転々としているように映る。でも金さんにとって、それは一本の問いの深まりだった。「地球に命がある」という仮定を置いた瞬間、研究の手法だけでなく、自分の在り方そのものが変わった。
  • 〈恋するように、観察する〉
  • 「誰かに恋をしたら、あの人が何とやっているのか、何が好きなのかと四六時中考えるはずです。環境モニタリングや環境データの見える化は、自然の気持ちを知るための観察だと思えばわかりやすいかな。」——データを集めることを、金さんはこう表現した。科学者の言葉とは思えないほど直感的で、温かい。でもこの一言が、金さんの研究の核心をそのまま言い表している。
  • 〈フォームを先に当てはめない〉
  • 「舞台のようなフォームを先に当てはめるんじゃなく、課題をまず特定して、そこに合ったフォームを見つけていく、それが私のやり方かなと思いますね。」——GIS研究も、舞台も、コンテストも、金さんの中では同じ一本の線でつながっている。手段を先に決めない。地球の問いが先にあって、答えとしてのフォームは後からついてくる。
  • 〈ここはスカスカだった〉
  • 「昔の自分は、まわりから見れば輝かしく見えたかもしれないけど、(胸のあたりを指しながら)ここはスカスカ。それは心が本当に正しいと思っていることをやっていなかったからです。」——博士号を取り、研究機関に勤めながら、金さんは45歳まで「暗いトンネルの中」にいたと言う。外側のフォームがどれだけ整っていても、内側が空洞だった。この正直な自己開示が、その後の転換の深さを物語っている。
  • 〈無限にリアルにできる〉
  • 「どのくらい見えるか? 多分、それは無限だと思う。無限にリアルにできる、自然にはそれだけのポテンシャルがあるのでゴールはないですね。」——自然を観察することにゴールはない、と金さんは言う。それは諦めではなく、むしろ喜びだ。命を相手にしているから、終わりがない。その無限さを、金さんは静かに楽しんでいる。
  • ■コア(根底にある思い・願い)
  • 法律の言葉で世界を整理しようとした時代があった。
  • データで自然を測ろうとした時代があった。
  • でも、金さんが本当に向かっていたのは、
  • もっとシンプルなことだ。
  • 地球に命があると仮定した瞬間、すべてが変わった。
  • 研究の手法が変わり、人との関わり方が変わり、
  • 舞台という場が生まれ、100人が泣いた。
  • 恋するように自然を観察する。
  • フォームを手放すほど、見えてくるものが増えていく。
  • 幸せが外にあると思っていた自分を抜け出して、
  • 内側から動きはじめたとき、世界が応えるように動き出した。
  • 一言でまとめると:
  • **「地球の命を恋するように見つめ、そこに原理を見出したい。」**
  • ■課題(まだ見ぬ壁/乗り越えるべき問い)
  • - 「自然に命がある」という仮定を、科学的コミュニティの中でどう共有していくか?
  • - 古いデータへの依存から脱し、継続的な観測体制をどう整えるか?
  • - 研究と表現活動を両立するための時間・人材・リソースの確保は?
  • - 地域密着型の活動を、持続的な仕組みとしてどう根づかせるか?
  • - 葉山という一地域での実践を、どう普遍的なモデルとして他地域・世界へ開いていくか?
  • ■構造化から見えてくる人物像(ANOMI's Insight)
  • 金振さんという人:「仮定を置いた瞬間に世界が動き出す人」
  • 1、**「フォームを手放すほど、届くものが増えていく」**:「舞台のようなフォームを先に当てはめるんじゃなく、課題をまず特定して、そこに合ったフォームを見つけていく」——この言葉が、金さんの在り方をそのまま言い表している。GIS研究も、舞台も、コンテストも、外からは脈絡がないように見える。でも、金さんの内側では、地球の問いが先にあって、フォームは後からついてきているだけだ。フォームへの執着を手放したから、研究者が脚本を書き、100人が泣く舞台が生まれた。
  • 2、**「恋するように、観察する科学者」**:「誰かに恋をしたら、あの人が何とやっているのか、四六時中考えるはずです。環境モニタリングは、自然の気持ちを知るための観察だと思えばわかりやすいかな」——この一言を聞いた時、金さんの研究の根っこが見えた気がした。データを集めることを「恋」と言える研究者は、そういない。自然を物質として見ているのではなく、気持ちを知りたい相手として見ている。その眼差しが先にあって、GISという道具はあとからついてきた。
  • 3、**「暗いトンネルを抜けた先に、舞台があった」**:「昔の自分は、まわりから見れば輝かしく見えたかもしれないけど、ここはスカスカ」——胸を指しながらそう言った金さんの言葉が、ずっと残っている。博士号を9年かけて取り、研究機関に勤めながら、45歳まで暗いトンネルの中にいた。外側のフォームがどれだけ整っていても、内側が空洞だった。「地球に命がある」という仮定を置いた瞬間、研究の景色が変わり、幸せの定義が変わり、舞台が生まれた。トンネルを抜けた先に見えたのは、データでも論文でもなく、100人が泣く舞台だった。

metadata

source

ANOMI Note / Dialogue with Macorin

author

金振

project

nowhere HAYAMA100

number

15

この概念は「もう一人の僕」の思考の一部として統合されています。

ANOMIと対話する
金振さんの対話の構造化 | nowhere HAYAMA100-15 (ANOMI Note Edition) | Synchro Worldview