2026年3月
歩くことが、祈りであり、出会いであり、還ることだった
白澤秀樹・始国マワリテメクル旅編——2026年3月、四国・岡山・和歌山をまたぐ1400キロの生活観光巡礼
一歩ごとに、誰かの善意が積もっていた。
足が痛くても、雨が降っても、
盟友が逝っても——
歩くことをやめない理由は、
美しいものがまだそこにあると知っているからだ。
情は数えられない。
情は測れない。
情は——でも確かに、回ってくる。
みかんを道に置く誰か。
フリースを追いかけてくるお母さん。
手術後の夫を持ちながら食事を用意するお母さん。
倒れた店主の代わりに笑顔で朝を開けるおかあさん。
この国には、幸福度ランキングが見えない豊かさが、
道の上に、宿の中に、
湯船の向こうに、みかんの甘さの中に
確かに、生きている。
「シンのシゴト」は「マコトのアソビ」。
死は終わりではなく、別の旅の出発だ。
過去へ歩くことで、今がひらかれる。
同行三人——空海と、逝った友と、見知らぬ誰かと、
ひとりで、でも決してひとりではなく。
一言でまとめると歩くことは、情の循環を身体で証明することだった
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